大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(ネ)272号 判決

証拠によると、弁護士鶴田正衛は、控訴人の委任に基き、前記侵奪された控訴人の占有を回復すべく、本件家屋の所有者を被控訴人海老名四郎、その占有者を被控訴人小高代八、滝井正及び車塚松吉とし、先ず、東京地方裁判所に本件土地家屋につき、執行吏保管と占有移転禁止の仮処分を申請し(同庁昭和二八年(ヨ)第二三五号)、その旨の決定を得てその執行を為し、次いで、被控訴人小高代八及び同海老名四郎を相手に占有回収の訴を提起し(同庁昭和二八年(ワ)第七五五号)、本件土地の占有権に基き、被控訴人海老名四郎に対しては本件家屋を収去して本件土地を明渡すこと及び同小高代八に対しては本件家屋から退去して本件土地を明渡すことを請求したところ、被控訴人小高代八は、控訴人の本件土地占有の事実を否認し、仮定抗弁として、控訴人が本件土地の占有を開始する以前に被控訴人海老名四郎は阿部操から本件土地を賃借し、その引渡を受けて占有していたのであるから、控訴人こそ本件土地に対する被控訴人海老名四郎の占有を侵奪したものであると抗争し、敗訴するや、控訴し、(東京高等裁判所昭和三二年(ネ)第二一一五号)、控訴審においても第一審と同じ主張を維持したが敗訴し、更に上告したが上告棄却の判決を受けたこと、控訴人と弁護士鶴田正衛との間になされた右各事件の謝金は、昭和二八年(ヨ)第二三五号仮処分事件及び昭和二八年(ワ)第七五五号訴訟事件につき金二〇万円、昭和三二年(ネ)第二一一五号訴訟事件につき金五万円を支払う約定であつたことが認められる。しからば、被控訴人小高代八は、本件土地を使用しうべきなんらの権限なく、控訴人の本件土地に対する占有を侵奪したのにかかわらず、控訴人の本件土地の使用を妨害せんがために不当に抗争したものというべきであるので、右不当抗争は不法行為を成立せしめるものというべく、従つて、同被控訴人は当裁判所が真正に成立したと認める甲第八二号証(日本弁護士連合会会規七号報酬等基準規程)所定の基準の範囲内と認められる弁護士鶴田正衛に対する右謝金合計金二五万円を賠償すべき義務ありといわねばならない。

(仁分 小山 右田)

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